届出の概要
こんにちは。今回は正式名称 深夜における酒類提供飲食店営業営業届出、いわゆる深夜営業許可についてのお話です。
夜中0時以降にお酒をメインとして提供する飲食店が、警察署に出す必要がある届出となります。
ショットバーやダーツバー、居酒屋、接待のないガールズバーも対象です。
深夜OPENの10日前までに、書類を揃えて警察署に提出します。
今回は幾度も申請してきた中で、警察署が届出に際し、気にされる重要なポイントを5つ紹介したいと思います。
重要ポイント1 カウンターの高さ
まず一番最初はそもそも工事でなんとかなるのか、非常に難しい問題です。
我々行政書士も、まず最初に見るところがおそらくここです。
意外に100cmを超えているカウンターが多いのです。
前の店舗は取れていたから、居抜きなのでここもいけるでしょうというお問い合わせが多いのですが、
前回の届出時は別のカウンターだった可能性も、本人が虚偽で申請している可能性もあります。
これがしっかり超えていたら、なかなか難しいです。
カウンターを客席に入れないことも、深夜営業の場合は現実的ではないので、警察署の担当の方としっかり話し合いが必要です。
重要ポイント2 スライダックス(調光器)
次にこちら。くるくる回すアレ。電気の光を調節できるスライダックス。
これも基本はダメです。
見た瞬間に「あぁーー・・・」と声が漏れます。
運営上、明るすぎると雰囲気やコンセプトと違ったり、顔が明るく見えすぎるなど。
悩みがたくさんあるのはわかりますが、光の最低必要量がルクスという単位で決まっています。
暗いと何をしているのか見えないからという理由です。
スライダックスのくるくるが回らないように固定するというのも認められる場合もありますが、
原則は不可。取り替えるのがベストです。ここも警察署と要相談ですね。
重要ポイント3 客室の範囲
続いては面積を図面で作るときの客室について。
必要な書類として、営業所全体と客室でそれぞれ求積図という面積を計算した図面が必要となります。
これは地域によりどのように記すかが異なっているのがまた厄介で、
具体的にいうと、何色の線で書くかなどが違います。
それはどこの法律や条例、規則に書かれているわけではないのですが、運用上のルールとして、
都道府県や各警察署の生活安全課により決まっています。
大阪府では客室は赤色で囲むのが通常なのですが、その客室の範囲もすごく曖昧なのです。
ちなみにカウンターのところで説明したように、基本的には客室には100cm以上のものは設置できません。
客室の範囲、壁際や窓枠はどうするのか、いざ測り始めると微妙なところがたくさん出ます。
客室内に大きな冷蔵庫があったり、100cm以上の花が置いてあったり。
客室面積は1cm の単位で求めます。警察側の客室の考えと擦り合わせも必要となります。
重要ポイント4 使用承諾書
お次は、物件の使用権限を証明するための使用承諾書です。
これも非常に厄介なところで、ここで苦戦する事業者さんも多いです。
物件の所有者から、ここを深夜営業のお店として使って良いですよーという承諾の書類のことなのですが、
まず書いてくれるかという問題があります。
聞いた話では、非常に高額を請求してくる物件オーナーもいてるとか。。。
賃貸借契約書を結んだ時点でオッケーじゃないの?と言いたいところですが、
警察署は、本当に物件オーナーが風営法にあたる深夜酒類提供の飲食店をオッケーと言っているの?
という観点からものすごく気にするポイントです。
またこれが所有者から借りているだけならまだ良いのですが、転貸をしていることもあります。
それも数名を経て転貸している場合もあります。
賃貸借契約書には、物件の所有者の名前すら入っていないということもあります。
物件の登記簿謄本を取るところから始めたりと、やるべき回り道作業はとても多いです。
重要ポイント5 警察署の予約
最後はこちら。チェックポイントではないのですが、必須事項。
警察署への予約です。
区役所や保健所に行くとき、予約を取って行く方はほとんどいてないと思います。
ですが、警察署に関しては予約が必要です。
直接行って受付してもらえることもあるのですが、混んでいることも多く、
場合によってはその日はもう忙しいから対応不可と言われることもあります。
特に繁華街を管轄する警察署では相手にしてもらえない可能性もあり、
受付してもらえたとしても、予約していくのが通常となっている以上、少し嫌な顔をされて書類以前からマイナスからスタートとなります。
なので予約の電話は是非ともしておきましょう。
管轄は大阪府であれば大阪府警察のページからお調べできます。
- カウンターの高さ
- スライダックス(調光器)
- 客室の範囲
- 使用承諾書
- 警察署の予約
いかがでしたでしょうか。
届出に関する費用、必要書類などはこちらの記事にも載せております。ご覧ください。
バー開業などで、忙しくお困りの方はエノキ行政書士事務所までお問い合わせください。